chrooted環境を利用したデータの移行

chrooted環境は別のパーティションで作成することをお奨めします。 Pleskのインストールとそこへのデータ移行が完了した後、rootファイルシステムとしてこのパーティションを使用できるようにするためです。 chrooted環境を設定するにはスーパーユーザ権限が必要です。

chrooted環境を作成するには、2ギガバイト以上のディスク容量を持つオペレーティングシステム、Pleskのインストール、およびユーザデータを保存するためのディスク容量が必要です。

ftp://download1.sw-soft.com/Plesk/Plesk7.5/Extensions で入手可能な chroot_tool.zip パッケージのユーティリティまたは mach (http://mach.sourceforge.net) などのサードバーティのユーティリティを使用して自分のシステムにchrooted環境を設定できます。

chrooted環境を設定する前にハードドライブに全てのデータのバックアップをとっておくよう強くお奨めします。

chrooted環境を利用してデータを移行するには以下を実行します。

  1. Pleskをインストールする前にポート8443が使用されていないことを確認します。 何らかのプログラムがこのポートを使用している場合、このポートがフリーになるよう再設定する必要があります。
  2. chrootedディレクトリにPleskインストーラファイルをコピーします。
  3. コマンド chroot <directory_name> を使用してchrooted環境に入ります。
  4. 変数CHROOTISH=yesの値を定義します。

    CHROOTISH=yesをエクスポートします。

  5. mysqlを以下のように設定します。

    mysql_install_db

    chown -R mysql /var/lib/mysql/

  6. ネットワークに繋がずにmysqlを実行します。

    異なるバージョンのMySQLでは、方法が異なります。 例えば、MySQLバージョン3ではコマン'safe_mysqld --skip-network &'を使用し、バージョン4では'mysqld_safe --skip-networking &'を使用します。

  7. Pleskインストーラを実行し、 画面上の指示に従い操作を行います。
  8. Plesk設定が終了したらコントロールパネルにログインして、[サーバ]ショートカットをクリックします。そして[移行マネージャ]アイコンをクリックしてから[移行を開始する]アイコンをクリックします。
  9. データソースとしてホストを指定し、通常通り移行を行います。
  10. 移行が完了した後、サーバをリブートしchrootパーティションから起動するようにします。
  11. "NO_RESTART_DAEMON"パラメータを /etc/psa/psa.conf ファイルから削除します。
  12. 全てが問題なく処理されていることを確認して下さい。 エラーが発生した場合、他のコントロールパネルの以前使用していたパーティションをリブートします。

chrooted環境を起動するためには以下を実行します。

  1. 起動マネージャにchrooted環境を持つパーティションから起動するための項目を追加します。

    例:

    GRUB bootマネージャがインストールされているFedora Core 2オペレーティングシステムでの設定を見てみましょう。

    1. ./boot/grub/ ディレクトリを開きます。
    2. コマンド fdisk -l を使用してchrooted環境が設定されている場所を確認します。

Disk /dev/sda: 2097 MB, 2097152000 bytes
128 heads, 32 sectors/track, 1000 cylinders
Units = cylinders of 4096 * 512 = 2097152 bytes

Device		Boot	開始	End	Blocks	Id	System
/dev/sda1		*	1	50	102384	83	Linux
/dev/sda2			51	919	1779712	83	Linux
/dev/sda3			920	1000	165888	82	Linux swap

Disk /dev/sdb: 2418 MB, 2418016256 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 293 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes

Device		Boot	開始	End	Blocks	Id	System
/dev/sdb1			1	293	2353491	83	Linux

ここでは、partition /dev/sdb1 です。

  1. grub.conf または menu.list ファイルをテキストエディタで開き、以下のレコードを追加します。

    title Fedora Core-chroot (2.6.5-1.358)

    root (hd1,0)

    kernel /boot/vmlinuz-2.6.5-1.358 ro root=/dev/sdb1

    initrd /boot/initrd-2.6.5-1.358.img

  2. 変更を保存します。
  1. chrooted環境にinitail ramdiskを作成します。

    Fedora Core 2での例。

    ディレクトリ /disk2 にchrooted環境が設定されている場合を見てみましょう。

    1. コマンド chroot /disk2 を使用してchrooted環境に入ります。
    2. initail ramdiskの現在の画像を削除します。

      ls /boot/


System.map-2.6.5-1.358
initrd-2.6.5-1.358.img
config-2.6.5-1.358
vmlinuz-2.6.5-1.358

rm -f /boot/initrd-2.6.5-1.358.img

  1. initial ramdiskの新しい画像を作成します。

    mkinitrd /boot/initrd-2.6.5-1.358.img 2.6.5-1.358

    SuSe 9.1での例。

    ディレクトリ /disk2 にchrooted環境が設定されている場合を見てみましょう。

  2. コマンド chroot /disk2 を使用してchrooted環境に入ります。
  3. コマンド mkinitrd を使用してinitail ramdiskの現在の画像を削除します。
  1. システムを再起動します。